相続税は、被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内に申告と納税をしなければなりません。相続税は現金での一括納付が原則とされ ていることなどから、期限内に払えないケースもあります。もし滞納となった 場合 にはペナルティが課せられます。今回は、そのような状況にならないために、相続前に相続税の負担を減らす対策についてご紹介します。
相続税を滞納するとどうなる?
期限内に納税しないと延滞税が課税される場合があります。平成30年の税率は、納期限から2ヶ月以内は2.6%、2ヶ月を超えると8.9%になります。さらに相続税の申告自体が申告期限までにしていない場合は5〜20%の無申告加算税も課される事がありますので気をつけてください。
贈与の各非課税制度を押さえておく
生前贈与の非課税制度をうまく活用して相続財産を減らす方法もあります。これは贈与した翌年の2月1日から3月15日までに贈与税の申告が必要になってきますので注意して下さい。
生前贈与の非課税制度には次のようなものがあります。
制 度 | 内 容 |
暦年贈与 | 毎年110万円までが非課税 |
教育資金の贈与 | 最大1,500万円までが非課税 |
結婚資金・子育て資金 | 最大1,000万までが非課税 |
住宅取得資金の非課税制度 | 消費税の税率と住宅取得に関する契約の締結日によって非課税額が変わり、最大3,000万円が非課税 |
夫婦間で居住用不動産の贈与(配偶者控除) | 2,000万までが非課税 |
他にもできる相続税の節税対策
この他にも、相続税の節税対策になりうる方法を2つご紹介します。
生命保険で相続税対策を行う
生命保険はみなし相続財産として課税対象となりますが、【500万円×法定相続人の数】の非課税限度額があるため、相続税対策になります。
孫を養子縁組して法定相続人を増やす
相続税には【3,000万円+600万円×法定相続人の数】という基礎控除額があります。そこで法定相続人を増やすために孫を養子縁組する方法もあります。相続税対策としての養子縁組については、平成29年に「相続税の節税目的は養子縁組をする意思と併存しうる」という最高裁の判例が出ました。相続税法上、養子縁組を法定相続人とするには、「実子がいる場合は1人まで」「実子がいない場合は2人まで」と定められています。
いつか来る相続税納税に備えて対策をとってみてはいかがでしょうか?